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  ファンダメンタル分析

ファンダメンタルズとは
1,ファンダメンタルズの基本
2,地政学的リスクについて
3,政府・日銀の金融政策

1、ファンダメンタルズの基本

   需給バランスは、外国為替相場を決める基本的な要因です。また経済的な要因は、外国為替相場に大きな影響を与えているという考えがあります。そして、この経済的な要因によって相場を予測することをファンダメンタル分析と言います。。このファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)とは外国為替の中長期的な変動要因として考えられます。外国為替相場のファンダメンタル分析は、「その国の現在の経済状態」を示す経済指標の分析を行うことが大きな要素を占めています。

   経済指標以外では、原油価格やテロ騒動またはイラク問題など地域紛争もファンダメンタルズの要因になっています。また、中長期的な予測だけではなく、短期的な予測も増えており、ファンダメンタルの変化が外国為替相場に素早く反映されるケースも多いようです。
基本的なファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を以下に列挙してみました。

1.経済成長率 4.金利
 GDP(国内総生産)など  FOMCなど各国の政策金利
2.物価 5.その他経済指標
 消費者物価指数など  失業率など
3.国際収支 6.財政収支
 経常収支・貿易収支など  


   ファンダメンタル分析は、上記の1?6の要因を判断して予測します。ただ、全ての経済指標の意味が分からなくても、経済指標の見方を理解していれば十分に対応できる場合も あります。今、どんな問題が市場で注目を集めているのか、将来の予定がどのような結論を導き出すのか、という予測を立てることができるかどうかが、ファンダメンタルズを 読み解く上で大切です。ぜひ、自身でシナリオを描いてみて下さい。
ファンダメンタルズとは未来を予測することです
   また、ファンダメンタルズといえば第一に経済指標を考えますが、現在では政府・中央銀行の金融政策、原油価格、さらに地政学的リスクなどもファンダメンタルの要因として 考えられます。それぞれの要因がどのように外国為替相場に関わりを持ってくるのかを理解しましょう。

2、地政学的リスクについて

   金融市場に影響を与えるリスクには様々なものがあります。価格変動リスク・外国為替リスク・流動性リスク・金利変動リスク・信用リスク、そして現在では世界的規模で金融市場に最も大きな影響を与えているのが「地政学的リスク(地政学リスク)」と呼ばれるものです。
   もともと地政学はドイツのカール・ハウスホーファーが提唱した地理的な位置関係が国際関係に与える影響を研究する学問でした。第二次大戦後60年近くを経て最近は異なる観点から脚光を浴びだしました。それは地域紛争(戦争)やテロの勃発など特定地域が抱える政治的・経済的・軍事的な緊張の高まりが、世界経済全体の不安要素となるという事でした。
   このことを指して「地政学(的)リスク」と呼ばれています。
   具体的に言い換えると「政治と地理的条件の関係やその変化によって景気がさらに悪化するリスク」と捉えることができます。
   地政学的リスクの2大要因は「地域紛争の勃発」と「テロの脅威」です。経済が発展して国際化が進む中で、その地政学的リスクは全世界的に影響を及ぼすと考えられています。 これは、アメリカ連邦準備理事会(FRB)が2002年9月に発表して以来、市場にも広く認識されるようになりました。戦争の開始や終結、又はテロを事前に予測するのは難しく、 突発的に発生した場合には、企業行動や消費者心理に影響を与えるだけでなく、外国為替相場や株式市場の乱高下を招き、その他の市場にも混乱を招くなど全世界的な経済活動 の障害になります。現在イラク情勢など中近東問題だけでなく、北朝鮮問題やアジア各国で見られるテロや紛争など、今後その影響が増大しそうな問題が山積しており地政学的 リスクが世界経済、日本経済そして金融市場にとって最大の懸念となりそうな状況にあります。このことから、今では地政学的リスクをファンダメンタルとして考えることがで きると考えます。


3、政府と日銀の財政・金融政策

   財政・金融政策は金融市場にとって大変重要です。お金の流れを調節することにより、民間の消費や投資に影響を与えます。「物価の安定」が最大の目標です。この財政・金融政策が項を奏せば、景気も落ち着き国家としての信用も高まります。経済成長と安定、国際収支改善など複数の目標を同時に実現するために財政・金融政策を組み合わせ、相互に衝突あるいは矛盾する幾つかの政策を一本化して調整することで、それぞれの目標の同時達成を狙います。そこで安定した経済成長を達成するために財政政策と金融政策を組み合わせることを「ポリシー・ミックス(Policy mix)」といいます。その時々の最善のポリシー・ミックスを選別するのが政策当局の役目であり、その結果が金融市場に多大な影響を与えます。

財政政策

   政府支出額を弾力的に増減することによって民間経済に介入し、景気の調整・完全雇用・安定成長などの経済目標の達成を目指す政策。財政の機能を利用した政府の政策全般を指すこともあります。「フィスカル・ポリシー」

金融政策

   通貨当局(政府・中央銀行)が、金融市場に働きかけて通貨の供給を調節することによって、民間の消費や投資に影響を及ぼし、完全雇用や物価安定など経済安定化を図る経済政策。金融政策の目標には①物価の安定 ②雇用の安定と経済成長の維持 ③国際収支の均衡や外国為替相場の安定などがありますが、日銀をはじめ主要国の中央銀行はこれらの目標のうち、「①物価の安定」を最優先にしています。また、政策手段は金利政策、公開市場操作、支払準備率変更政策が代表的です。それ以外には、貨幣制度、銀行制度、証券制度など金融制度に関する政策もあります。

通貨当局(政府・中央銀行)が行う政策手段

◎公定歩合操作
   日本銀行が民間銀行に貸し出しする場合の金利を操作します。これを基に民間銀行が企業に貸し出しを行うため、公定歩合を引き上げると市中金利が全体的に押し上げられることになります。


◎公開市場操作(オペレーション)
   日本銀行が手持ちの証券を市中で売却することで、その額の通貨を市中から吸い上げること。その結果、通貨の供給が減少するために、市中金利が上昇する。 (又はその逆。)


◎預金準備率操作
   民間の銀行が日本銀行に対して預け入れしなければならない金額のこと。貸し出しに見合った一定比率の預ける金額を増やす(減らす)ことである。この比率を引き上げると(引き下げると)、民間銀行は企業への貸し出しに向けられる金額がそれだけ減って(増えて)しまうことにより、資金需給が逼迫(緩和)して市中金利が上昇(下落)します。


ゼロ金利政策と量的緩和政策

ゼロ金利政策 (金利を引き下げる政策)
   日銀が1999年(平成11年)2月から2000年8月までとった金融緩和政策で、無担保コール翌日物の金利を大幅に下げ、仲介手数料と差し引きで金利を実質ゼロにしました。資金供給を大幅に増やし、デフレ・スパイラルに陥る懸念や金融不安を払拭するために取られた政策です。株価下落や不良債権問題で景気の先行き不安から2001年3月に再度採用されました。

量的緩和政策(市中銀行の資金量を増やす政策)
   金利ではなく金融機関に供給する資金量を誘導する金融政策で、デフレ克服のため2001年(平成13年)3月に導入されました。金融機関が日銀に預け入れる当座預金の残高に目標値を定めて、日銀が金融機関から国債や手形を買い取るオペ(公開市場操作)で当座預金に資金を供給します。
量的緩和政策解除のための3条件

   1. 消費者物価指数の対前年比上昇率がゼロ%以上
   2. 政策委員の多くがゼロ%超の見通しを持つ
   3. 経済物価情勢で判断する


   2006年3月9日をもって量的緩和政策が解除になり金融政策が約5年ぶりに金利に基づく政策に変更になりました。このような金融政策の転換期は外国為替相場にとっても大きな転換を見せる可能性があります。

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